麻薬
覚せい剤の害・社会的側面
覚せい剤乱用者は、しばしば常軌を逸した暴力行為を引き起こします。筆者の見た例では、家族や恋人に刃物で切りつけたり、ケンカ相手の指、耳、手足を切り落とそうとした乱用者が数人いました。自分の身体を切り刻むこともあります。また薬代を手に入れるために家族や周囲の人のすべてを巻き込み、経済犯罪をおこします。さらに乱用薬物が暴力団や国際テロ集団の資金源になっています。薬代を手に入れるために違法薬物の売人になるという自己増殖のパターンがしばしばみられます。 

 覚せい剤は、その危険性と流行性から、日本の薬物乱用対策上、もっとも重要視されている薬物です。食欲抑制効果があるために、ダイエットのために使用されることがあります。また「やせ薬」の中に混入されていることがあります。覚せい剤を使用すると、多くの場合は、中枢神経興奮作用により一時的には気分が高揚し、自信が増し、疲労感がとれるように感じます。一般には1回の使用で5−8時間、ハイの状態が続きますが、効果が切れると激しい抑うつ、疲労倦怠感、焦燥感に襲われます。また連用により、脳のドパミン系ニューロンが賦活され、幻覚や妄想などの精神病症状が出現します。覚せい剤は乱用によって攻撃的、暴力的傾向を起こしやすく、依存性が強く、長期の後遺症を残しやすいために、もっとも危険な薬物とされています。覚せい剤を4、5回以上使用すると、いわゆるハマッた状態になり、止めるのが困難になります。3、4カ月使用すると幻聴、幻視などの幻覚が出現し始めます。5年以上使用すると、完全な精神病状態になり、使用をやめても、フラッシュバックなどの後遺症が残る可能性が高いと言えます。もっとも、使用量、使用期間と症状の関連には極めて個人差が大きいようです。筆者は、初回使用時に、幻覚や妄想の出現した例を経験しています。だから、1、2回の使用なら安全とは言えません。ほとんどの依存者は、1回だけと思って使用し始め、すぐにやめられると思いながら、やめられなくなっている、ということを知ってほしいと思います。また、たった1度だけの使用でも、犯罪行為です。筆者は初回使用時に捕まって有罪になった人を数名知っています。

 日本の法律では、覚せい剤、麻薬、あへん、劇物(シンナー、トルエン、接着剤など)は区別されてそれぞれ取締の対象になっています。覚せい剤取締法は、1951年に制定され、その後数回の罰則強化を経て現在に至っています。この法律により、覚せい剤の製造、流通、販売、所持、使用のすべてが厳しく禁止されています。

hk ( 2013/09/17(火) 14:41 )