覚せい剤の害・覚せい剤精神病・逆耐性現象・フラッシュバック
覚せい剤の精神面での害としては、このほか、覚せい剤精神病、性格変化などが考えられます。
覚せい剤使用を続けると統合失調症に似た幻覚(幻聴や幻視など)や妄想が出現するようになります。強い恐怖感を伴う迫害的内容が特徴的です。これを覚せい剤精神病と言います。この幻覚妄想は、乱用者の体質や覚せい剤の使用量によっては、ただ1回の使用で出現することがあります。さらに恐ろしいことには、この幻覚や妄想などの精神病症状は、次第に少量の覚せい剤使用で出現するようになり、ついには使用を止めても出現するようになります。この現象は「逆耐性現象」(感受性の亢進)と言います。覚せい剤使用中止後、数カ月から数年後にも幻覚妄想状態が短期的に突然出現することがあり、この症状を「フラッシュバック」と言います。
覚せい剤精神病やフラッシュバックは、時には薬物使用後5年以上も続くことがあります。ほとんど回復不能のように見えることもありますが、一方では、10年以上幻覚妄想が続いていても、次第に回復することがあります。治療法としては、統合失調症の治療に準じます。つまり短期・中期的には、抗精神病薬投与が必要です。時には、幻覚妄想状態の苦しさから逃れるために、薬物(覚せい剤や、処方薬、市販薬、違法薬、脱法ドラッグ)の再使用や乱用に陥ったり、自殺行為に走ることもあります。中期・長期的には、カウンセリングや自助グループが重要です。いずれにしても周囲の理解が大切です。
性格変化については、乱用者は次第に疑い深く、怒りっぽく、衝動的になります。一方で、意欲が減退し、非活動的になります。