この日の稽古は、佑美ちゃんがやたら僕と塁に厳しくて掛かり稽古をやたらとやらされた。
佑「この女の敵め!」
一「まあまあ若。」
佑「こいつらの性根叩き直してやらないと!」
澪「何か若様荒れてんな。」
響「なぁ塁、どう思う?」
塁「そう言えば、今日大輔君と一緒だったけど手繋いでなかったよな。」
響「そう言えばそうだった。」
澪「ケンカでもしたか?」
佑「何コソコソ喋ってるんだ!澪も一緒にやるか?」
澪「さーせん。遠慮しまーす。」
塁「大輔君何とかして下さ〜い。キャプテ
ンじゃないっすか。」
大「ん〜、無理だな。すまんが頑張ってくれ。」
そう言って離れていく大輔君。
結局、僕らはボロボロになるまで稽古させられた。まだ病み上がりなのに…。先生より厳しいって何?
部室で大輔君に聞くと、今日の午後からデートの予定だったが、急用が入って家族と出かける事になったため、朝その事を話すと『久しぶりのデートだったのに!』と機嫌を損ねてしまったらしい。
…とばっちりか〜。女の人は難しい……。
家に帰る時もみなみちゃんと一緒だったが、
僕の姿を見て『今日大丈夫?』と聞かれる始末。
響「心配かけてごめん。大丈夫だから。家に迎えに行くから待ってて。」
み「うん。楽しみにしてる。」
そして午後1時50分、僕はみなみちゃんの家の前に立っていた。
少し早いがインターホンを鳴らすと、みなみちゃんのお母さんが出てきた。
響「こんにちは、ご無沙汰してます。みなみさんいらっしゃいますか。」
星母「あら、響君いらっしゃい。みなみね、今一生懸命おめかししてるからもう少し待ってて貰えるかしら。」
響「はい。すいません、僕が時間より早く来てしまったので。」
星母「いいのよ、私も響君と話してみたかったから。そう言えば足の方はもう大丈夫?」
響「おかげさまで、もう大丈夫です。みなみさんにも色々助けてもらいました。」
星母「そう。響君には随分優しいのね。うちでももう少しお手伝いして欲しいわ。」
み「お母さん、何話してたの?」
星母「ただの世間話よ。響君、みなみのことよろしくね。」
響「はい。失礼します。」
み「行ってきます。」
外に出ると、
み「今日はどこに行くの?」
響「みなみちゃんと2人で行きたい所があるんだ。」
み「どこ?」
響「まだ秘密。行こう?」
そう言ってみなみちゃんの右手を掴んだ。
み「…うん。」
みなみちゃんも強く、でも優しく握り返してくれた。
そして僕達はあの場所を目指して歩き始めた。想いを伝えたいあの場所に……。










