その日の夜、入浴後しっかりと足首のケアをして自分の部屋へ。
宿題に取り組もうと机に向かうと、ドアをノックする音。
返事をするとそこには奈々未姉ちゃんの姿が。
奈「………。」
響「………。」
無言のまま、ベッドに腰掛けた姉。
暫くの間この状況が続いたので、隣に腰掛け口を開いた。
響「…何か用があるんじゃないの?」
奈「…ごめん。」
響「何の事を謝ってるの?」
奈「…ごめん。」
響「姉ちゃん?いい加減に……」
その時、姉が僕に抱きつきベッドに押し倒した。
響「奈々未姉ちゃ、ん…。」
その瞬間奪われた唇。
暫くその状態が続き、息苦しいと感じ始めた頃、やっと姉の唇が離れた。
気がつくと姉は僕に馬乗りになっている。
そして自らの上着を脱ぎ始め、上半身下着のみの姿になった。
奈「響の事あきらめる…。だから最後に私の初めての人になって…。」
そう言うと、下着に手をかけた姉。
僕は素早く上半身を起こし、姉に抱きついて身体を入れ替えた。
僕が姉の瞳をジッと見つめると、視線を逸らした。
響「本当にそんな事してほしいの?」
瞳を逸らしたまま頷く姉。僕はいろんな感情を押し殺して、表情をなくすように努めた。
響「分かった…。それを望むならそうする。その代わり僕は奈々未姉ちゃんの事軽蔑する。姉ちゃんと口をきくのもこれで最後にするから。」
そう言って姉の顔に両手を添え、僕に向けると大粒の涙を流す姉。
響「…どうして泣くの?姉ちゃんが望んだ事なのに。」
奈「…響が離れていくのが怖かった。私の大切なものが取られる気がしたの…。」
響「………。」
奈「昼に響に言われた時、後悔しかなかった。今まで通り仲の良い姉弟でいた方がよかったんじゃないかって。自分でその関係を止めようとしておいて、いざ振られるってなると怖気づいて……。ホント何やってるんだろう……。」
両手で顔を覆い、声を殺して泣いている姉。
僕は馬乗りになっていた姉の上から降りて、姉の身体を起こした。
ベッドにあったタオルケットを上半身が隠れるように肩から掛け、泣き続けている姉を抱きしめた。
響「…今まで通りの姉弟に戻ろう?」
奈「えっ?」
響「例え他の誰かと付き合ったとしても、奈々未姉ちゃんが僕の姉ちゃんなのは変わらない。ずっと家族なんだから。だから元通りにしよう。」
奈「…それでいい?私の事キライになったんじゃない?」
響「昼に言ったでしょ?凛々しくて、茶目っ気があって、優しい姉ちゃんが好きだって。…もちろん家族としてだけど。」
奈「…うん。ありがと……。」
そう言うと姉も僕の背中に腕を回し抱きついてきた。
暫くして姉の涙が止まった頃、そっと身体を離した。
響「…服着なよ、あっち向いてるから。」
奈「…うん。」
姉に背中を向けると、突然重みを感じた。
響「姉ちゃん何してるのさ?」
奈「胸押し当ててるの。」
響「ちょっと待ってよ……。」
確かに背中に感じる2つの膨らみ。
奈「みなみちゃんと付き合ったらいつかそーゆー事するんでしょう?予習よ予習。」
響「…やっぱり姉ちゃんとは口きかない。」
奈「冗談よ、まぁ困った事があったらいつでも教えてあげる。手取り足取りね。」
響「…自分も経験無いくせに。さっきだって服脱ぐ時に手、震えてたくせに。」
身体を離してくれたので振り向きながらそう言うと、赤くなったプク顔の姉が腕にグーパンチしてきた。
響「痛!」
奈「女の子に恥かかせるものじゃないわ。」
そう言って笑う奈々未姉ちゃん。
響「久しぶりに笑ってる姉ちゃん見た。そっちの方が良いよ。」
奈「惚れ直した?」
響「姉ちゃんが美人なのは前から知ってるから。」
奈「へぇ〜言うじゃない。」
響「…これからもよろしく、奈々未姉ちゃん。」
奈「…うん。」
姉に笑顔が戻った日、僕らは姉弟の絆を取り戻すことができた……。
奈「あ、これからもたまに一緒に寝るから。」
響「へ?何で?」
奈「姉弟だから問題ないでしょ。それに私その方がぐっすり眠れるの。」
響「僕は寝られないんだけど…。」
奈「変な事考えてるからでしょう?」
響「………。」










