診断は捻挫。全治二週間との事だった。
若いので恐らくはもう少し早く完治するかも知れないが、無理をするとクセになるので一週間は足を使った運動禁止と言われた。
また、地元の病院で松葉杖を借りて出来るだけ足をつけない方がより早く治るとの事だったので明日、学校の前に病院へ行く事にした。
手当ても終わり、真夏さんに肩を借りて立ち上がる。
「もう直ぐ試合だろう。焦る気持ちもあるだろうが、君にはまだ先もある。自分の剣道を見つめ直す良い機会だと思いなさい。」
診察室を出る時にそう声をかけられた。
「ありがとうございます。」
頭を下げ礼を言って病院を出た。
タクシーに乗り込み会場へと戻る車内で
真「暫くは別メニューだね。でも大事に至らなくて良かった。」
響「すいません。やっぱり真夏さんは頼りになりますね。飛鳥にあれだけの事言ってきかせたし。」
真「なぁに惚れちゃった〜?」
響「いえ、それはないです。」
真「ひど〜い。もう肩貸してあげない。」
響「お許しください神様、仏様、真夏様。」
そんな会話を交わしながら会場に到着。
すでに試合は終わっていて、バスの前にみんな集合していた。
タクシーから降りると塁、澪、飛鳥がすぐに寄って来た。
塁「どうだった?」
澪「中体連には間に合うのか?」
飛「響………。」
響「捻挫、二週間もあれば治るって。取りあえず明日、地元の病院でもう一度手当てして貰う。」
飛「…よかった。」
涙を浮かべている飛鳥。
響「心配かけてごめんな。泣くなよ〜。」
そう言って頭をわしゃわしゃと荒く撫でた。
飛「…泣いてないもん。」
塁「まあ大ケガじゃなくて何より。」
澪「だな。響、肩貸すぞ。」
響「ああ、ありがとう。」
塁「真夏さん、後は俺らが。」
真「うん、お願い。会場に忘れ物とかはない?確認した?」
飛「控え室も最後に確認してきました。大丈夫です。」
響「僕の防具とかは?」
塁「俺達で運んでおいた。」
響「助かる。」
真「了解。じゃあ帰ろうか。」
「「「はい。」」」
みんなに、声をかけられ状況を説明しながら2人に肩を借りてバスに乗り込む。隣の席は飛鳥が座った。
祥「響、嫁に優しく看病して貰えよ。」
祥太君が明るくそう言ってくれたので、
響「もちろんです。トイレの世話もして貰うつもりです。」
と笑いながら言うと
飛「もう、バカ…。」
顔を赤くする飛鳥。
そんなやり取りをした後、
今「全員乗ったな。今回の遠征、橋本のケガは残念だったが男子は光聖中との引き分け以外は全勝、女子も光聖中以外に負けなしと結果は決して悪くなかった。だがこれからの稽古でいくらでも成績は変わるだろう。気を抜くことなく今後の稽古に臨むように。」
「「「はい!!」」」
今「橋本。」
響「はい!」
今「秋元から症状は聞いた。別メニューだが稽古にはしっかり参加するように。焦るなよ。」
響「分かりました。」
こうして札幌遠征が終わった。
家に着くと、奈々未姉ちゃんが涙目で駆け寄って来て、
奈「響の身の回りの世話は私がする。」
と宣言し、色々とやってくれる姉。大変ありがたいが、
奈「お風呂も大変でしょ。私も一緒に入る。」
…もう勘弁して下さい。
と言うか親も笑ってないで止めろよ………。










