その日の部活後、最近は当たり前の日課となった、校門の前でみなみちゃん達と合流し帰宅。
ちなみに今日は塁はいない。玄関で1年の娘に声をかけられ、ちょっと寄り道して帰るようだ。塁はイケメンだし、気配りもできるからかなりモテる。去年出場した中体連全道大会でも他校の娘からかなり声をかけられていた。
澪と未央奈と別れ、みなみちゃんと2人談笑しながら歩いていると後ろから僕を呼ぶ声。
振り向くとそこには息を切らした飛鳥がいた。
飛「どうしてあたしを置いて行ったんだ。同じ部活なんだから待ってろ。」
響「へ?だって飛鳥いつも日奈子と帰るだろ?」
日奈子とは1年の剣道部員、北野日奈子。飛鳥とは小さい頃から仲が良い。
飛「今日は日奈子用事あるって親が迎えに来たから1人だったの。」
響「そう、じゃあ一緒に帰るか。」
飛「うん。」
そう言うと飛鳥は僕の左腕に抱きついてきた。
響「何やってるんだよ、美彩姉ちゃんじゃあるまいし。」
飛「こんな可愛い娘にこんなことしてもらえて嬉しいだろ?」
そう言って離す気配はない。
ふと右隣のみなみちゃんを見ると、頬を膨らませこちらを睨んでいた。
……それすらも可愛い…。
そんな事考えていると
み「じゃあみなみも〜。」
響「えっ?」
何とみなみちゃんまでもが右腕に抱きついてきた。
なんだこの思いもよらない展開。
まずい、ちょっとニヤついてるかも…。と気にし始めた瞬間、
飛「ニヤニヤしてんじゃねーよ、この変態!」
み「どうして飛鳥ちゃんは響君にそんな事言うの?」
飛「本当の事を言ってるんです〜。」
み「じゃあ離してあげなよ。」
飛「先にみなみちゃんが離してください。」
み「いや。」
飛「あたしもいや。」
最後はお互いから『うー』という声が聞こえそうな状況。僕を挟んでのやり取りに、止むを得ず口を出す。
響「2人ともそんな顔しないの。可愛い顔が台無し。もうお終い、ね?」
そう言うと、2人とも顔を赤らめ大人しくなった。
……ただこの状況はみなみちゃんの家に着くまで続き、道中すれ違う街の人に怪訝な顔で見られ、ある意味拷問だった。










