いつもより静かな校舎に入ると、なんだか別の場所に迷い込んだみたいに感じる。一年間通ったところなのに。
いつもと違う感覚に浸りながら、そのまま2年生の教室に向かって歩いていると、後ろから声をかけられた。
「さっきの娘は誰かな?少年。」
「響にもついに春が来ちゃったのかな〜?おねーさんはさみしいよ〜笑。」
ある意味、奈々未姉ちゃんと同等に面倒な人達に見つかってしまったようだ。
響「なんだよその言い方。別に何にもないです〜、麻衣姉ちゃんに美彩姉ちゃん。」
麻「そうは見えなかったけどなぁ。あんなに楽しそうに女の子と喋る響初めて見た。」
美「そうそう、いつも素っ気ないじゃん、美彩がこーんなに可愛いがってるのにさぁ。」
と言いながら僕のパーソナルエリアにガンガン入ってきたので、少し間合いを取りながら
響「二人とも、いや特に美彩姉ちゃんのスキンシップが過剰だからそうさせていただいております。クラスの女子や、女子剣道部とは仲良くやってますが。」
と答えた。すると
美「まいやーん、響が冷たいよ〜。美彩哀しい〜泣。」
麻「女の子泣かすなんて響サーイテー。」
きたよいつものパターンが…。
響「…はいはい。すいませんでした。…二人とも、僕のこと構う必要ないでしょ?綺麗なお姉さんなんだから、イイ男一杯寄ってくるでしょうに。」
美「今何て言った?」
響「へ?」
麻「だから何て言ったの?」
響「だから僕のこと構う必要ないでしょって。」
美「そこじゃない。」
響「えー、イイ男一杯寄ってくるでしょって。」
麻「その前!」
響「はぁ?うーんと、…あぁ綺麗なお姉さんなんだからってところ?」
美「ふっふっふっ、そーかー。綺麗だなんて思ってくれてるんだー。」
麻「ねぇー、本当にそう思ってる?」
しまった余計なことを言ってしまった。
若干面倒なパターンになってきたぞ…。
響「世間一般的にはお二人とも綺麗と言われると思います。あっ、部室に忘れ物したから行くね。じゃっ。」
この無限地獄から抜け出すため、僕は猛ダッシュした。
美「あっこら待ちなさーい!」
麻「逃げられたね。まあ可愛いこと言ってったし…ってさっきのあの娘のこと聞きそびれちゃった。また後で問い詰めよう?」
美「さんせーい。楽しみだなぁ笑。」
因みに、麻衣姉ちゃんは、白石麻衣といい塁の姉。美彩姉ちゃんは、まだ登場していないが、僕らと同じ剣道部の衛藤澪の姉。どちらも美人と評判です。
取りあえず部室で時間潰そう……。








